Windowsサーバでファイル単位のリストアをする方法
困っていた内容
Windows Server で構築した EC2 インスタンスと EBS の環境で、ファイル単位のリストアをしたい
どう対応すればいいの?
Windows の VSS(ボリュームシャドウコピーサービス) を用いて実現可能です。
※ AWS としての機能は今回は特に使いません
シャドウコピーからの復元により、ファイル単位のリストアが可能となります。
VSS スナップショットとは別の内容になりますので、そちらについては別途下記弊社ブログをご参考ください。
[アップデート] AWS BackupがWindows EC2のVSSスナップショットをサポートしました | DevelopersIO
Systems ManagerでVSS(Volume Shadow Copy)を利用したスナップショットを取得する | DevelopersIO
それでは、具体的な実施手順を見ていきたいと思います。
EC2 インスタンスの作成
今回は WindowsServer 2019 をベースに構築していきます。
Windows VSS バックアップのことも考え、今回はt3.smallで作成します。
Windows VSS バックアップ対応のインスタンスの条件はこちら
サポートされていない Amazon EC2 インスタンス
次の Amazon EC2 インスタンスタイプは、小規模なインスタンスであり、バックアップを正常に取得しない可能性があるため、VSS 対応の Windows バックアップではサポートされません。
・ t3.nano
・ t3.micro
・ t3a.nano
・ t3.micro
・ t2.nano
・ t2.micro
ボリュームシャドーコピーの設定
それでは作成したEC2インスタンスに RDP 接続し設定していきます。
※今回、説明のために事前に日本語化してあります。
1 . シャドウコピーを有効化したいドライブを右クリックし、[シャドウコピーの構成]を選択します。
※[プロパティ] > [シャドウ コピー]タブを選択でも可
2 . ボリュームを選択し、[有効]をクリックします。
3 . [はい]をクリックします。
4 . シャドウコピーが作成されました。
スケジュールの設定
シャドウコピーの取得スケジュールの確認方法と設定方法です
1 . 先ほどのシャドウコピーの構成ウィンドウで[設定]をクリックします。
2 . 設定ウィンドウで[スケジュール]をクリックします。
3 . 現在のスケジュールの確認・変更ができます。
デフォルトでは毎週 月 ~ 金 の7時と12時にシャドウコピーが作成されるように設定されています。
ボリュームシャドーコピーからの復元
手動でシャドウコピーを作成し、復元方法を確認してみたいと思います。
復元ポイントまで全て戻す
1 . サンプルとして、[VSS_test]というフォルダを作成し、01~04の4つの空のテキストファイルを作成しておきます。
2 . シャドウコピーの構成ウィンドウで[今すぐ作成]をクリックし、シャドウコピーを手動で作成します。
3 . 1.で作成したフォルダ内の03.txtを削除します。
4 . [VSS_test]フォルダを右クリックし、[以前のバージョンを復元]をクリックします。
5 . 復元させたいバージョンを選択し、[復元]をクリックします。
6 . [復元]をクリックします。
7 . 無事復元されました。
復元ポイントの内容を確認し、一部だけ戻す
1 . サンプルとして、[VSS_test]というフォルダを作成し、01~04の4つの空のテキストファイルを作成しておきます。
2 . シャドウコピーの構成ウィンドウで[今すぐ作成]をクリックし、シャドウコピーを手動で作成します。
3 . 1.で作成したフォルダ内の02.txt , 03.txtを削除します。
4 . [VSS_test]フォルダを右クリックし、[以前のバージョンを復元]をクリックします。
5 . 復元させたいバージョンを選択し、[開く]をクリックします。
6 . シャドウコピー作成時の、フォルダの内容が確認できます。
7 . 復元させたいファイル(今回は 02.txt )を復元させたい場所へドラッグアンドドロップします。
8 . 無事復元されました。
以上となります。
今回はフォルダでの操作だけ行いましたが、ファイルの操作でも同様の操作となります。
ファイルの復元だけではなく、その時点でのファイルの内容も確認できるので便利です。
設定しておくだけで、ミスがあった時の復元が非常に楽になるので是非試してみてください。